アルチャヤティさとみ
わたしは18年程前に自分がパニック障害を発症し、心療内科の対応に不信感を抱いたことがきっかけで様々なヒーリングメソッドを試すようになりました。わたしの場合心療内科に頼らず自分が選んだ数々の手法が当たりで、わずか半年ほどで休職状態から社会復帰を考えるまでに至りました。
その中のひとつアーユルヴェーダのヴァータ性疾患(風のエネルギーの悪化)の解剖生理を知ったとき、なぜ自分がパニック障害を発症したのか?が明確に理解できたのです。
食事の偏り、徹夜、そして何よりメンタルの問題、全部ヴァータを極限まで悪化させる生活を2年ほど送っていたからだと理解しました。
このとき心療内科の薬を飲まず、ヴァータを緩和する食事、充分すぎる程の睡眠、様々なメンタルヒーリングを受け、自分の判断で短期に社会復帰しました。
この時期アーユルヴェーダのトリートメントを受けられる施設は見当たらず、治すための考え方、生活の仕方はアーユルヴェーダ、実践的手法はそのほかのヒーリングメソッドという感じでした。
そのセオリーを知っただけで、自分の病を自分で治せる。その恩恵に感謝し、アーユルヴェーダの全体像を学びたい!という想いからインドへの渡航を始めて、気がつけば15年ほどの歳月が流れ去りました。
アーユルヴェーダを学ぶ過程で、様々な人達と友人になりました。その友人のひとりに、ファーストクラスのアーユルヴェーダドクターの来日ボランティアとして手伝わないか?というお誘いをいただきました。
それから数年、ドクター来日時のお迎え、かばん持ち、書記などのお手伝いをさせていただき、その神業の脈診や医療占星術を駆使したこの世の御業とは思えぬ診察を観る機会をたくさんいただきました。
その先生のインドの病院はがん研究で有名な病院だったので、日本でのご相談もがん患者さんが結構いらっしゃいました。先生がインドに帰ってしまわれた後その患者さん達からご質問などいただくことが度々あり、単なるOLであり医者でない私にできることは、ただただアフター5にカフェなどで患者さん達の人生のお話に誠意を持って耳を傾けることだけでした。
この経験で、わたしは大きな気づきがひとつありました。自分には何もできないけれど、患者さんのお話を一生懸命聞くだけでその方の表情がとても明るくなること、喜びの涙を流されること。ご気分がとてもよくなられること。わたしは、気分が良くなるということは免疫力も上がるようだ。ということに気づいたのです。
自分でもお役にたてることがある!そう思えた宝石のような経験となりました。
それが、今のセラピストという仕事を支えていると思います。